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話題のGLP-1製剤について

GLP-1製剤について

GLP-1製剤についてものを食べると胃腸で消化吸収されますが、その際小腸からインスリンの分泌を増加させる働きをもつインクレチンというホルモンが分泌されます。そのインクレチンの1種がGLP-1になります。実はかなり昔から同じ量の糖質を口から食べて摂取した場合と、注射で血管に直接入れた場合では、その後の血糖上昇に差があることは分かっておりました。口から食べた方が血糖の上昇は抑えられていたのです。長年なぜそうなるか分かっておりませんでしたが、それこそがこのGLP-1というホルモンの働きによるものでした。

なぜGLP-1製剤が
こんなに話題になったのか?

なぜGLP-1製剤がこんなに話題になったのか?で、なぜGLP-1製剤がこんなに話題になったのか。一言で言うと『すごく痩せる!』からです。GLP-1の作用は先述のようなインスリン分泌促進以外にも多岐にわたるのですが、その中でも『食欲を抑える』効果が実感としてはかなり大きいと思われます。しかも単剤ではほとんど低血糖を起こさない安全性の高い薬です。
ダイエットの大原則は『摂取カロリーより消費カロリーが多ければ痩せる』です。アウトオーバーになれば絶対に減量できます。逆にインオーバー(摂取カロリーが消費カロリーより多い)ならば、巷で言われているこの食材がダイエットに良いとか、この運動やこの習慣を毎日5分やれば絶対痩せます、的なことをやっても絶対に痩せません。消費カロリーを増やすのはかなり運動しなくてはならないので大変なので、結局手っ取り早いのは食べるものを減らして摂取カロリーを減らすことになります。
しかし食べたいのに我慢するのは辛いですよね、、、最初は気合でどうにかなることも多いですが、長く続けているとだんだん辛くなり、どこかで我慢の限界に達して一気にリバウンド、なんてことは良くあります。
このGLP-1製剤を使うと食欲が抑えられ、食べたくなくなります。つまりストレスなくダイエットが出来るようになります。

GLP-1製剤の種類

注射と飲み薬がありますが、注射の方が効果が高いです。中でも週1回投与のチルゼパチド(マンジャロ®、ゼップバウンド®)は減量効果がかなり高く、かつ気持ち悪くなるなどの副作用が少ないので、先述のような安全性の高さもあって、美容外科での自費診療で痩せ薬として爆発的に使用され、供給が追いつかなくなり、本来の糖尿病治療に使えなくなったと言う社会的問題にもなりました。現在は供給も保たれ、糖尿病治療薬として保険診療で使用できる状況です。注射と言ったら二の足を踏んでしまう方も多いと思いますが、週1回1本打ち切りのディスポーザル製剤で、針をつけたりする必要もありません。

GLP-1製剤は
ダイエット以外の効果も?!

GLP-1製剤はダイエット以外の効果も?!GLP-1製剤は血糖降下作用、減量効果以外にも認知症予防や、ある種のガンに対する抗ガン作用もあるなどと研究レベルでは言われています。
適応のある方は治療の候補として前向きに考えて良いかと思います。