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糖尿病と妊娠(妊娠糖尿病)

妊娠糖尿病とは?

妊娠糖尿病とは?妊娠中に初めて高血糖が見つかった場合を妊娠糖尿病と言います。インスリンの働きは妊娠が進むにつれて弱まると言われています。元々インスリンの働きが弱い方が妊娠すると、妊娠の後半になるにつれて高血糖をきたし、妊娠糖尿病を発症しやすくなります。約1割の妊婦が妊娠糖尿病になるとの報告もあります。妊娠中に高血糖の管理をしなかった場合、母体には妊娠高血圧症候群や流産、早産、胎児には巨大児や、ひどい場合には胎児死亡を引き起こします。

糖尿病合併妊娠とは?

一方、元々糖尿病がある方が妊娠したケースは妊娠糖尿病ではなく、糖尿病合併妊娠と言います。この場合は母体や胎児により深刻な状態に陥ることがあり、糖尿病の方は、妊娠前から血糖を管理し、計画的に妊活する必要があります。妊娠中もインスリン注射による血糖コントロールを行い、無事に出産するまで注意深く管理を行うことが大切です。

妊娠糖尿病の診断

妊娠糖尿病の診断妊娠糖尿病の診断には75gのブドウ糖負荷試験を行います。負荷前の血糖が92mg/dl以上、負荷後1時間の血糖が180mg/dl以上、負荷後2時間の血糖が153mg/dl以上のうち1つでも当てはまれば妊娠糖尿病と診断されます。これは通常の糖尿病の糖負荷検査よりかなり厳しい判定です。つまり妊娠中は生理的に血糖が上がりやすいのに、診断基準は通常の時より厳しいので、引っかかる人は結構います。かなり厳しいですが、それだけ妊娠中の血糖コントロールは重要ということです。

妊娠中のコントロール目標

妊娠中のコントロール目標は、HbA1c:5.8%以下、食前血糖値95mg/dl以下、食後1時間の血糖140mg/dl以下、食後2時間の血糖120mg/dl以下です。妊娠中は多くの経口薬は使えないことが多いので、基本的にはインスリン注射による血糖管理が必要になります。当然母体の血糖のモニタリングも必須であり、自己血糖測定もしなくてはなりません。従来の指先から測る血糖測定以外にも、二の腕に装着し、24時間、14日間持続して血糖をモニタリングできる、リブレなどの方法もあります。当院では最新のリブレ2を取り扱っております。血糖が気になる方はお気軽にご相談下さい。

妊娠前の肥満症(糖尿病が無い場合も)の方のリスク

一方、妊娠前の肥満症(糖尿病が無い場合も)は、前述の妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群、巨大児のリスクが高くなると言われています。妊娠前の体重をどこまで目指すかは、妊活開始を急ぐかどうかにもよるので一概には言えませんが、その後の妊娠出産に良い状態を作るために、妊活前になるべく頑張って減量をするのが望ましいです。